【第4回/シンボルプロジェクト】町並み保存と観光の拠点となる施設「鞆てらす」がオープン
これまで3回にわたってお届けしてきた、シンボルプロジェクトの進捗状況。ついにこの夏、「福山市鞆町町並み保存拠点施設 鞆てらす(以下、鞆てらす)」がオープンしました。日本遺産にも認定されている港町・鞆の浦の伝統的な町並みの魅力を紹介するとともに、その保存や観光の拠点になることが期待されるこの施設。
今回は、「鞆てらす」がいったいどんな施設なのかをレポートします!
鞆の歴史や魅力をギュッと凝縮して伝える。
まずは展示エリア「潮待ちの港」へ。その名の通り、潮待ちの港として栄えた港町としての鞆を感じられるシアター上映を中心に、日本遺産「福山・鞆の浦」の認定ストーリーや日本遺産の構成文化財がパネルなどで紹介されています。壁と床の2面を活用したシアターは臨場感たっぷりで、波が打ち寄せる映像や船が波間に浮かぶ光景を眺めていると、まるでその場にいるような気分になります。
続いて、展示エリア「鞆と祭」。
一年を通して、ほぼ毎月のように祭りが行われる鞆。歴史ある祭りや神事が、暮らしの一部として大切に受け継がれてきました。シアターでは、旧正月を祝う真冬の風物詩「お弓神事」、海上で繰り広げられる勇壮な「観光鯛網」、重さ200kg以上の巨大な松明を氏子衆が担いで神社の石段をかけ登る「お手火神事」、チョウサイと呼ばれる大きな山車を引き廻す「おおまつり」など、歴史的な価値を持つ祭りや神事を映像で楽しむことができます。
さらに、祭りで使用されるチョウサイの展示もあり、鞆の祭りがいかに華やかで賑やかか、実感できるはず。
祭りや神事について写真を見ながら学べるタッチパネル式の大型画面も設置してあるので、ぜひ触れてみてください!
町歩きや観光がもっと楽しくなる学びの場。
江戸中期までに整えられた地割に、伝統的な町家や寺社、港湾施設などが一体となって残る鞆は、2017年に国の重要伝統的建造物群保存地区(以下、重伝建)に選定されています。重伝建エリアの中心に建つ鞆てらすの東側部分は、明治時代に建てられた町家を再生して活用。「町並み保存」をテーマにした展示とともに、古い梁や柱など建物の歴史を体感できます。
鞆の町並みを形成する建造物の特徴的なデザインや、歴史的建造物について知れば、町歩きがもっと面白くなりそう!
観光客と地域住民がゆるやかに交流する空間。
2階にあるのは「鞆まちなみ再生活用相談所」。歴史的な町並みの保存を推進するための相談窓口が設置され、空き家の利活用や伝統的建造物の修理方法、補助制度に関する相談を受け付けています。
また、鞆てらすには観光客が散策途中に休憩したり、地域住民が気軽に訪れて交流できるスペースがあるほか、トイレや授乳室も完備。軽食の持ち込みが可能で、鞆に関連した書籍や雑誌も置いてあるので、観光の周遊拠点としても心強い存在になりそうです。
鞆の町並み文化を継承する取り組みに参加しませんか。
「鞆・一口町方衆」応援プロジェクトの取り組みの一環として、1階の受付付近には、募金箱とサイネージを設置しています。募金箱に申出書の投函、もしくは直接寄附していただくことが可能です。サイネージでは、参加いただいた企業や個人のお名前等を掲載しています。鞆の町に興味がある方、町の文化歴史を知れて、町づくりに参加ができる「鞆てらす」へお立ち寄りください!
◯問い合わせ先
福山市経済環境局 文化観光振興部 文化振興課
(TEL:084-928-1278)